今週火曜日(5月19日)に投稿した「神戸高速鉄道の話」に出てきた「阪急・阪神経営統合」には某投資ファンド会社が絡んでいたのですが、それとよく似た鉄道会社の株式売却問題がありまして、その鉄道会社とは南海高野線の中百舌鳥駅と和泉中央駅の間を走る
「泉北高速鉄道」
であります。
泉北高速鉄道は元々、
「大阪府都市開発」
という、大阪府などが出資した第三セクター会社であり、1971年(昭和46年)の中百舌鳥駅~泉ヶ丘駅の開通と同時に南海高野線と相互乗り入れを行うようになり、2年後の1973年(昭和48年)には栂・美木多駅、更に4年後の1977年(昭和52年)には光明池駅まで延伸し、そして1995年(平成7年)には和泉中央駅まで延伸しました。
そんな大阪府都市開発に株式売却の話が持ち上がったのが2008年(平成20年)4月、当時大阪府知事だった橋下徹氏が株式売却の意向を表し、泉北高速線と相互乗り入れしている南海電鉄も株式取得に名乗りを上げていたのですが、5年後の2013年(平成25年)6月に大阪府がアメリカの投資ファンド会社である「ローンスター」に優先交渉権を与えてしまったのです。
その理由として、南海電鉄は
「買取額は約720億円、泉北高速鉄道の乗継割引は80円値下げ」
と決めたのに対して、ローンスターは
「買取額は約780億円、泉北高速鉄道の乗継割引は10円値下げ 」
と決め、これに大阪府は
「利便性よりも利益を優先」
してしまったがためにローンスターに優先交渉権を与えたのですが、それを知った泉北高速線沿線の住民や大学、それに堺市や和泉市の市会議員が猛反発し、半年後の12月に大阪府庁で行われた会議では、多数を占める大阪維新の会の府議会議員の一部が造反したことにより議案が否決され、翌年の2014年(平成26年)に大阪府が南海電鉄に全ての株式を売却することを決めたことにより、泉北高速鉄道は
「南海電鉄の子会社」
となって、現在に至っています。
因みに私は堺市在住なので、泉北高速鉄道の株式売却問題は今でも鮮明に覚えていますし、
「泉北高速鉄道が南海電鉄の子会社になってくれたのは本当に良かったが、逆にローンスターに買われていたら、とっくに無くなっていたであろう」
と、今でもそう思っています。
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