阪神電気鉄道は10日、新型急行用車両「3000系」の導入にあわせ、急行用車両のカラーリングを順次変更すると発表した。

3000系は、2027年春の導入を予定する車両。エクステリアカラーは、同社の急行用車両でかつて使用してきた「赤胴車」塗装を引き継ぐ「Re Vermilion」(リ・バーミリオン)を採用する。阪神では、既存の急行用車両についても、3000系と同じカラーを用いたデザインに順次変更し、「阪神電車の急行用車両はバーミリオン」というカラーイメージの定着を図るとしている。なお、8000系については、バーミリオンを採用した赤胴車の塗装に変更する。

赤胴車は、バーミリオンとクリームのツートンカラーを採用した急行用車両のこと。2020年6月に7990・7890形が引退したことで、阪神の赤胴車塗装は消滅していた。同社は3月3日、阪神電車開業120周年を機に、急行用車両の8000系の塗装を、現在のオレンジ色のものから赤胴車塗装に変更することを発表していた。
現在のオレンジ色の塗装は、1995年デビューの5500系旧塗装と対をなすものとして、2001年デビューの9300系で採用されたもの。「プレストオレンジ」「シルキーベージュ」というツートンカラーで、従来よりも淡い塗装とすることで、新しい阪神の急行電車のイメージを形作るとしていた。一方、このオレンジ系統の塗装は、同社子会社が運営する阪神タイガースのライバル球団、読売ジャイアンツをイメージさせるとして、阪急阪神ホールディングスの株主総会で塗装変更を求める要望がたびたび挙がっていた。
車両形式ごとのデザインについては、同社は決まり次第発表するとしている。