JR東日本では、ゴールデンウィーク中に、各方面で臨時列車を運転していました。その中でも鉄道ファンの注目を集めたのが、5月3日に運転された臨時特急「しおさい」81・82号と、4日、5日に運転された臨時特急「新宿さざなみ」1・4号。千葉方面の特急で現在使われているE257系やE259系ではなく、255系が使われたのです。

255系は、1993年にデビューした特急型電車。房総方面の特急向けに開発された車両で、「房総ビューエクスプレス」(Boso View Express)の愛称を持っています。2024年までは「しおさい」で定期運用を持っていましたが、同年3月のダイヤ改正で、「しおさい」にE259系が投入されたことで、その運用を喪失しました。
その後も、同年6月までは一時的に定期列車に使われたほか、一部臨時列車にも投入されていましたが、9月に運転された臨時特急「ビューさざなみ」「ビューわかしお」を最後に、これまで運用がない状態が続いていました。加えて、255系5本のうち4本は、すでに解体作業が可能な車両基地へと回送されており、今も千葉支社エリアに残るのは、Be-03編成の1本のみとなっています。
今回255系が投入された「しおさい」81・82号と「新宿さざなみ」1・4号は、2025年1月に春の臨時列車のプレスリリースが発表された時点では、E257系5両またはE259系6両での運転とされていました。この「復活」について、JR東日本千葉支社の広報担当者は、「255系は9両編成で座席数も多いことから、GWに少しでも多くのお客さまにご利用いただけるよう、5月3日の『しおさい』81・82号および5月4日、5日の『新宿さざなみ』1・4号に充当することとしました」と説明しています。

なお、今後も繁忙期の臨時列車などで255系を使う予定があるのか、千葉支社の担当者に尋ねましたが、今現在明確な回答はできないとの返答でした。