西武鉄道は4月10日、「サステナ車両」として新たに導入する「8000系」を、報道陣に公開しました。

8000系は、5月末のデビューを予定する、西武鉄道に新しく加わる一般型車両。ただし、ピカピカの新車ではなく、小田急電鉄から譲受した中古の車両です。
西武鉄道では、101系や2000系といった非VVVFインバータ制御の車両が今も運用についています。同社では、2030年までにこれらの車両を置き換え、VVVFインバータ率100パーセントを目指す計画で、2000系などを置き換える車両の導入を進めています。
新たに導入する車両のうち、国分寺線や西武秩父線などの支線区で運用中の車両を置き換えるために導入するのが、サステナ車両。他社から譲受したVVVFインバータ制御車両を示す西武独自の呼称で、同社は小田急8000形、東急9000系の譲受を発表しています。大手私鉄が他の大手私鉄から中古車両を導入する例は、過去にも存在はしていましたが、非常に珍しいものとなっています。

今回公開された小田急8000形改め西武8000系は、5月末にデビューし、国分寺線で運用に就く予定。西武入りに際し、一部が小田急仕様から西武仕様に改造されており、外観デザインも一新されています。
小田急から西武にやってきた「古くて新しい車両」
小田急8000形は、小田急では1982年に導入(デビューは翌1983年)された一般型車両。もとは界磁チョッパ制御車でしたが、2003年以降のリニューアル工事によって、ほとんどの編成がVVVFインバータ制御に改造されていました。
小田急時代は白地(ケイプアイボリー)に青帯(ロイヤルブルー)というデザインだった8000形でしたが、西武8000系への改造に際し、同社のコーポレートカラーであるブルー・グリーンをベースに、永遠や発展、繁栄を表す市松模様にアレンジしたデザインに変更されました。なお、白地の塗装は、西武4000系と同じ塗料(アイボリーホワイト)に変更されているとのことです。

前面と側面の行先・種別表示器は、小田急時代のまま、フルカラーLED式が使用されています。


客室は、ほとんど小田急時代のまま。床材や化粧板、扉間の座席は、そのまま再利用されています。ただし、車端部の座席は、小田急時代は4人掛けだったところ、西武では3人掛けに変更。シート自体の横幅は4人掛けのままなので、1席あたりの横空間は、車端部のみ、かなり余裕がある寸法となっています。





車両ごとの形式名は、池袋・本川越方の先頭車から、クハ8000+モハ8900+モハ8800+サハ8300+モハ8200+クハ8100となりました。
