JR東日本大宮支社は24日、川口市と「川口駅上野東京ラインホーム及び自由通路等整備に関する基本協定」を締結したと発表しました。

本協定は、川口駅への上野東京ライン(宇都宮線・高崎線)停車に向けたホーム増設と、必要となる鉄道施設や、自由通路、店舗の整備を盛り込んでいます。設計や工事はJR東日本が実施しますが、ホームなどの整備や自由通路建設の費用は、川口市が負担します。

2025年現在の川口駅は、京浜東北線のみが停車する駅です。同駅の1日あたりの平均乗車人員は、2023年度の実績で7万4001人。埼玉県内では、24万4393人の大宮駅、8万8213人の浦和駅に次ぐ数値で、1路線しか停車しない駅としては県内最多となっています。これにより、京浜東北線のダイヤが乱れた際には、駅舎内や駅前に利用者があふれる状況も発生しているといいます。
川口市では、この状況を改善し、川口駅の利便性向上により駅周辺のまちづくりにつなげるため、川口駅へのホーム増設という目標を掲げてきました。2022年11月には、JR東日本と川口市が、「東北本線川口駅ホーム増設等に係る駅改良の調査の実施に関する協定」を締結。以降も両者で検討の深度化を図り、今回の基本協定締結に至りました。
なお、JR東日本では、東京駅方面と羽田空港を結ぶ「羽田空港アクセス線」(仮称)の建設を、2031年度の開業を目標に進めています。JR東日本大宮支社の広報担当者によると、羽田空港アクセス線の運行体系については現時点で未定とのことですが、将来的には川口駅から羽田空港まで乗り換えなしで移動できるようになる可能性もあります。
JR東日本と川口市では、2025年度より、測量・地質調査、基本・概略設計を順次実施するとしています。なお、JR東日本大宮支社によると、ホームの開始時期は現時点で未定だといいますが、2024年に川口市が示した「川口駅再整備基本計画(案)」では、上野東京ラインのホーム新設は基本協定締結から約12年後、工事全体の完了は約15年後を見込んでいます。ただし、同資料は発表時点での試算で、「労働環境の変化等により、今後、工期が変更となる可能性がある」とも説明しています。