JR東日本では、3月15日のダイヤ改正にあわせ、中央線快速や青梅線の一般列車で、グリーン車サービスの提供を開始しました。

首都圏のJR線普通列車では、東海道線、横須賀線、総武線、常磐線、宇都宮線(東北本線)、高崎線でグリーン車が連結されており、すでにおなじみのサービスといえます。しかし、中央線快速向けのグリーン車は、他路線用のグリーン車とは異なる特別仕様となっています。
見た目でわかりやすいのが、乗降用のドアが「両開き」になったこと。これまでのグリーン車では、扉が1枚の「片開き」ドアでした。乗客数が多く、東京駅の折り返し時間も限られるという特徴のある中央線快速では、ドアを両開きにすることで開口幅を広げ、乗降時間の短縮を図っています。グリーン車サービスの正式提供開始前、グリーン車は無料開放されており、特にこの車両に旅客が集中する場面も見られます。それでも普通車と同じ両開き扉のため、乗降に時間を要すことは少ないようで、さっそくその設計が効果を発揮しています。
ただし、ドアが両開きになり、開口幅が広くなったということは、ドア付近=デッキ部のスペースが大きくなったということ。そのしわ寄せは客室内に向かっています。デッキのスペースを捻出するために、座席のシートピッチ(座席前後間隔)は、他線向け車両よりも狭くなりました。また、車端部のいわゆる「平屋席」は、中央線向けの車両では2列のみに。他線向け車両では3列だったので、1列分座席が減っています。一方、二階建て部分の長さは、他線向け車両よりも座席1列分長くなっており、トータルの座席数は他線向けと変わりありません。

中央線快速では、東京駅の折り返し時間が少ないため、座席を自動で回転させる機能がグリーン車に導入されたことも特徴です。新幹線や一部特急車で導入されているこの機能ですが、一般列車用のグリーン車では初の導入となります。