鉄道コム

南海・泉北高速、2025年度に経営統合へ 泉北高速の吸収合併、運賃値下げも予定

2023年12月20日(水)19時39分

南海電気鉄道と泉北高速鉄道は20日、両社を経営統合することで基本合意したと発表した。

南海電気鉄道の車両(右)と泉北高速鉄道の車両(左)
南海電気鉄道の車両(右)と泉北高速鉄道の車両(左)

泉北高速鉄道は、中百舌鳥~和泉中央間の泉北高速鉄道線や、東大阪市や茨木市で物流拠点となる流通センターを運営している事業者。創業時は大阪府などが出資する第三セクターで、社名を「大阪府都市開発」としていた。2014年7月、南海が大阪府などから株式譲渡を受け、南海グループとなった際、社名を現在のものに改めている。

両社は経営統合の理由について、南海グループが目指す「2050年の企業像」の実現に向けたものだと説明。個別に鉄道事業と不動産賃貸事業を営む両社を経営統合することで、グループ経営の効率改善を実現し、サステナブルな公共交通の経営の実現、サステナブルな事業体制を目指していくとしている。

南海と泉北高速鉄道では、泉北高速鉄道の南海グループ入り以降、速達性向上や運賃値下げといった鉄道の利便性向上を通じての泉北ニュータウンなどの沿線活性化、物流施設の高度化、駅ナカビジネス拡充などの収益力向上に取り組んできた。加えて、2022年4月には、両社間でのさらなるシナジー発揮を目的に、南海が泉北高速鉄道を完全子会社化していた。

両社では、一連の改革とともに、沿線価値の強化を目的に、利用しやすい運賃設定の検討を進める。運賃案では、難波~泉ケ丘間で、通勤定期を5210円、通学定期を3610円値下げすることなどを盛り込む。

検討中の運賃設定の案
検討中の運賃設定の案

両社では、本経営統合について、南海を存続会社、泉北高速を消滅会社とする吸収合併を前提に検討することを定めた覚書を締結。今後、2025年度早期の経営統合に向けて検討を進め、最終合意の決議が完了次第、速やかに発表するとしている。

2023年12月20日(水)19時39分更新

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道未来インデックス

  • 身延線(鰍沢口~甲府間)TOICA導入[2025年秋]
  • 大山観光電鉄タッチ決済乗車サービス導入[2025年秋頃]
  • E3系「はこビュン」専用車両運転開始[2025年秋]
  • 新潟駅・長岡駅 顔認証改札機実証実験[2025年秋ごろ]
  • 東急3000系リニューアル車営業運転開始[2025年秋ごろ]
  • 長崎電気軌道タッチ決済乗車サービス実証実験開始[2025年秋ごろ]

鉄道コムおすすめ情報

画像

鉄道カメラマンの舞台裏とは

鉄道カメラマンの仕事には、予想外のできごとも!? プロの鉄道カメラマンである助川康史さんが、ハラハラな取材行をご紹介!

画像

東武「スペーシア」台湾へ

「日光詣」スペーシア先頭車を、台湾の台北駅で展示。2025年度冬からを予定。

画像

阪神1000系新デザイン

阪神1000系の「Re Vermilion」デザインが発表。第1編成は8月下旬に登場予定。

画像

新型「指定席券売機」

JR東日本が、7月から新型の指定席券売機を順次導入。画面はシンプルな構成に。従来機も10月に画面を更新予定。

画像

元泉北車のカラーどうなる?

泉北高速鉄道が南海に吸収合併されてから約3か月。元泉北車の色はどうなる?南海に今後の予定を聞きました。

画像

7月の鉄道イベント一覧

いよいよ夏本番、鉄道イベントも多数。7月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。