山陽新幹線 車両部品が落下した事象について
1 発生日
平成24年4月11日(水曜日)
2 発生場所
山陽新幹線 三原~東広島駅間
3 列車
こだま745号 500系8両編成
岡山(14時59分)発 博多(18時18分)行
乗客数:約200名
4 概況
当該列車は、車両に異常が認められたため、東広島駅に停車し車両点検を行いました。調査したところ、三原駅の線路間に当該列車の車両部品13点(集めると1個の部品:2号車に搭載したバッテリーを覆っている外フサギ板)が落下していることが判明しました。
当該列車につきましては、回送列車として東広島駅を午後6時14分に出発しました。
その後、詳しく調査したところ、以下の異常が認められました。
・2号車蓄電池箱蓋落下(三原駅にて回収)
※注釈 サイズ:高さ77センチメートル、幅85センチメートル、厚さ10センチメートル、14.7キログラム
・2号車蓄電池箱変形
・2号車補助電源装置コンデンサに焦損有り
※注釈 2号車以外の車両については異常が認められませんでした。
※注釈 落下した蓄電池箱蓋の詳細についてはこちらをご覧ください。(PDF形式 51キロバイト)
5 原因(推定)
蓄電池に電源を供給する補助電源装置の出力電圧検出ユニットの不良により、補助電源装置が本来より高い電圧を出力したことで、蓄電池から気体が発生するとともに、補助電源装置の出力電流が増大したことでブレーカーがしゃ断し、その火花により発生気体が反応し、蓄電池箱が破裂し蓋が落下しました。
また、車内で異臭が発生したとの申告がありましたが、これは補助電源装置のコンデンサに焦損が認められたことから、焦損により発生した気体を、換気装置を経由して車内に吸引したためと推定されます。
※注釈 蓄電池箱蓋落下の原因(推定)および関係機器の取り付け箇所についてはこちらをご覧ください。(PDF形式 187キロバイト)
6 対策
同種設備の列車を走らせる前に、蓄電池に過大な電圧が供給されていないことを確認します。また、詳細な原因調査を実施し、さらなる対策を検討します。
7 その他
今回の事象での関係社員の対応について検証のうえ、必要な改善を検討してまいります。