都営バスのニュース【報道発表】
- 東京都交通局
「円太郎バス」が国の重要文化財指定へ
自動車としては初の指定
東京都交通局が所蔵する「円太郎バス(東京市営乗合自動車)」が、文化庁の文化審議会答申(令和2年3月19日)を受け、国の重要文化財に指定される運びとなりましたのでお知らせします。
(正式な重要文化財への指定は、官報に告示後となります。)
円太郎バス
江戸東京博物館にて展示した様子
1 指定対象
東京市営乗合自動車(円太郎バス) 1両
2 円太郎バス概要
関東大震災によって壊滅的な被害を受けた市電(路面電車)の代替としてアメリカ(フォード社)から800両を購入し、大正13年1月18日から巣鴨~東京駅間と中渋谷~東京駅間で運行を開始。当局の前身である東京市電気局が乗合自動車事業を開始するきっかけとなった車両であるとともに、関東大震災後の東京の復興を支えた車両。11人乗りワンマンカー。
明治の落語家の橘家圓太郎が当時走っていた乗合馬車の物まねをしたことで、東京の乗合馬車に「円太郎馬車」という呼び名が付くようになった。その馬車に似ていたことから「円太郎(自動車)」と呼ばれた。
3 略歴
大正12年9月:関東大震災により市電が壊滅的な被害を受ける
大正13年1月:巣鴨~東京駅間、中渋谷~東京駅間で運行開始
大正13年10月:柏学園(日本で最初の肢体不自由児向け学校)が東京市から購入
昭和30年:柏学園から交通博物館へ寄贈
平成19年:交通博物館から鉄道博物館へ移管
平成23年7月~9月:都営交通100周年記念事業の一環として、東京都江戸東京博物館で実施した「東京の交通100年博」にて展示
平成23年10月~:東京都交通局施設内にて保管
4 車体寸法
- 全長 462.8cm
- 全幅 156.7cm
- 全高 226.0cm
5 答申での評価
今回の答申においては、「本車輌は、我が国最初の公営乗合自動車として現存する最古の車輌であり、円太郎バス唯一の伝存車輌である。本車輌は、乗合自動車が都市公共交通手段として日本各地において活躍していく端緒となった時期の稀有な伝存車輌であり、交通史上、社会史上に貴重である」と評価されています。