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ニュースリリース

2020年1月22日
経営関連

社長会見
1.特殊信号発光機検知支援システムの開発と試験導入
2.ヤフー株式会社との連携による運行情報・駅構内ルート案内の充実
3.データサイエンスによる業務課題解決の推進(降雪時の着雪量予測モデルの構築)

詳細

会見動画
 

 冒頭、社長就任にあたっての決意をあらためて申し述べます。
 「福知山線列車事故のような事故を二度と発生させない」という決意のもと、この事故の反省と教訓を重く受け止め、これまで掲げてきた「経営の3本柱」を着実に引継ぎ、経営の中軸に据え、取り組んでまいります。
 基幹事業である鉄道の安全なくして、当社グループの成長はありません。
 鉄道事業を基軸に、さまざまな事業が相乗効果を発揮し、お客様、ひいては社会により良い価値を提供していくことが、JR西日本グループの役割であり使命と考えています。
 お客様の視点で考えるとともに、価値を生み出す最前線である現場に足を運び、安全やサービスの品質を支える技術を尊び、日々鉄道の現場で働く社員の生の声を聞きながら、より高い安全性と、より良いサービスの実現につなげていきたいと考えています。
 グループの一人ひとりの力を結集できるよう、組織運営において「相互理解」と「敬意と共感」を大切にしながら取り組んでいく考えです。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

1 特殊信号発光機検知支援システムの開発と試験導入
【踏切障害事故の減少に向けて】
 特殊信号発光機とは、踏切で列車の運行に支障を与える事態が発生したことを、付近を走行する列車の乗務員に伝えるために設置している踏切保安装置のことです。
 当社は「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022」に則り、踏切障害事故の減少に向け取り組んでいるところです。
 踏切障害事故を防ぐため、運転士の目視による安全確認の徹底はもちろんのことですが、特殊信号発光機本体の大型サイズへの変更や、列車無線から注意喚起を発信する支援装置の導入などを行い、安全性の向上に努めているところです。
 しかし、列車無線を使用した検知支援装置では、下記ビジュアルにお示ししているような課題があります。
 そこで、カメラの画像分析を活用した新たな支援装置を開発しました。

ビジュアル


【特殊信号発光機検知支援システム(鉄道業界初)】
 この装置は運転台に設置し、搭載したカメラから特殊信号発光機の点滅回数や色を読み込むことで発光を検知し、運転士に対し、音声で注意喚起を促すことができる仕組みとなっており、日本信号株式会社と共同開発しました。
 日本信号株式会社と資本業務提携契約を締結し、当社エリアにおける鉄道の安全性のさらなる向上を目指した新たな信号システムなどの開発に取り組んでおります。
 本日お知らせするシステムは、その取り組み成果のひとつです。
 2018年11月から2019年2月にかけ、当社管内でフィールド試験を行いました。
 このような試験を重ねました結果、誤って検知した回数は0件であり、この装置は高い精度が確保できていると判断できました。
 そこで、岡山支社管内の一部線区、一部営業列車において、今月から実際にこの装置を試験的に搭載いたします。
 なお、このような仕組みの装置を導入するのは鉄道業界初です。
 今後の展開は試験導入の結果をふまえ検討してまいります。
 引き続き、安全を維持する鉄道システムの充実を図り、事故の未然防止に取り組んでまいります。

ビジュアル2


2 ヤフー株式会社との連携による運行情報・駅構内ルート案内の充実
 当社は、「中期経営計画2022」において、「輸送障害時の情報提供」や「分かりやすく親切なご案内」のレベルアップに努めております。
 とりわけ、お客様にダイレクトに運行情報を行うツールとして、当社公式の運行情報アプリやSNSの整備を進めてまいりました。
 そして、このたび、より多くのお客様へダイレクトにわかりやすい情報案内ツールをご提供すべく、新たにヤフー株式会社と連携し、2つの新サービスの提供を始めます。

ビジュアル3


【「列車走行位置サービス」と「Yahoo!乗換案内」アプリの連携】
 まず、2月6日から「Yahoo!乗換案内」のアプリで、当社の列車走行位置サービスをご覧いただけるようになります。
 乗換案内アプリのなかでは圧倒的なシェアを誇る「Yahoo!乗換案内」をご利用の方は、当社のアプリをインストールし起動せずとも、ご利用の駅周辺を走行する列車位置をご確認いただけます。
 なお、乗換案内サービスを提供する事業者が開発・提供しているアプリと、鉄道会社が提供する列車走行位置サービスを連携させるのは、今回が初となります。

ビジュアル


【「Yahoo! MAP」アプリ上での大阪駅構内ルート案内】
 次に、本日から「Yahoo! MAP」アプリを使って、大阪駅構内のルート案内をご利用いただけるようになります。
 地磁気などスマートフォンの各種センサー情報を利用した屋内測位技術を活用し、GPSの測位精度が不十分な大阪駅の屋内で、現在地の確認や、現在地から目的地までのルート案内が可能となります。
 大阪駅でのサービスの提供状況を伺いながら、ほかの駅への展開も検討したいと思います。
 今後もお客様にとってご利用いただきやすい情報案内サービスを提供するために努力を重ねるとともに、時には他社との連携を行い、より一層のサービスのレベルアップを図ってまいります。

ビジュアル5


3 データサイエンスによる業務課題解決の推進(降雪時の着雪量予測モデルの構築)
 当社はおおむね20年後のありたい姿を技術面から模索するために「技術ビジョン」を2018年に策定しました。
 AIやIoT分野のデータサイエンスの技術を活用することで業務課題の解決を進め、ありたい姿の実現を目指していきたいと考えております。
 データサイエンスの活用事例として、北陸新幹線の台車部分の着雪量予測モデルの構築をご紹介します。
 降雪時に列車が走行しますと台車部などに雪が付着しますので、雪落とし作業をする作業員を事前に配置する必要があります。
 これまでは気象情報をもとに人が着雪量を予測したうえで作業員を手配しておりましたが、予測の精度に課題がありました。
 そこで、この課題に対し、社内外の知見を活用しデータサイエンスでの予測に取り組むこととしました。
 具体的には、降雪・積雪・風速などの気象予報データから着雪量を予測するAIモデルを公募しました。
 123件という多くの応募をいただき、そのうち当社社員作成のものも含む上位3件のモデルを採用し、2020年3月まで試行しています。
 試行している着雪量予測モデルでは30分ごとの着雪量を2日先まで予測できます。
 このモデルの活用により、人による予測に比べて精度よく作業員の手配が可能となります。
 試行が順調に進んでいるため、2020年12月からのモデルの本運用を目指します。
 今回の公募の成果としまして、本運用につながるモデルを構築できたのみならず、データサイエンス分野のノウハウを社内に蓄積することができました。
 また、データサイエンス分野に長けた人材を社内から発掘することもできました。
 今後も、社外パートナーとの連携や社外からのアイデア公募などを通じて外部の先端の知見を取り入れるとともに、社内でもモデルの高度化や最適化に取り組み、データサイエンスによる業務課題の解決をさらに推進してまいります。

ビジュアル6

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