2019年4月 定例社長会見
1.最近の営業・輸送概況
2.福知山線列車事故追悼慰霊式の開催
3.JR西日本あんしん社会財団設立10年
きのくに線 御坊駅構内で回送車両の一部が脱線した件について冒頭、一言申し上げます。
4月14日(日曜日)、きのくに線 御坊駅構内において回送車両の入換作業を行った際に、進路の構成を誤ったため、一部の車輪が脱線しました。
これにより、長時間にわたり、運転を見合わせることとなり、ご利用のお客様には大変ご不便をお掛けしました。
今後、社員各自の役割の再確認など必要な対策を徹底してまいります。
1 最近の営業・輸送概況
【取扱収入】
3月は、春分の日から同週末にかけてのご利用を中心に好調に推移したことなどにより、収入計で104.2%と前年を上回りました。
2018年度は、大阪府北部地震、西日本豪雨、台風などのたび重なる災害に見舞われたものの、関係者の皆様と連携し「がんばろう!西日本キャンペーン」や「関西観光リバイバルプラン」をはじめとした誘客に取り組んだ成果もあり、収入計は対前年101.1%と前年を上回りました。
4月は14日時点では、対前年99.6%と前年を下回っています。
※注釈:駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。
※注釈:直営の速報値です。(旅行会社発売分などを除く)
【ご利用状況】
3月は、春分の日から同週末にかけてのご利用が好調で、山陽新幹線対前年102%、在来線特急同102%、アーバンネットワーク同105%と前年を上回りました。
北陸新幹線は同100%と前年並みのご利用でした。
2018年度は、西日本豪雨・台風などの災害の影響が大きかった在来線特急は対前年98%と前年を下回ったものの、山陽新幹線同101%、北陸新幹線同102%、アーバンネットワーク同102%と前年を上回りました。
4月は14日時点では、曜日配列や、ゴールデンウィークに向けた出控えの影響などにより、山陽新幹線対前年97%、北陸新幹線同96%、在来線特急同98%と前年を下回っています。
アーバンネットワークは、休日のご利用が特に好調で、同107%と前年を上回っています。
※注釈:実績は速報値です。
2 福知山線列車事故追悼慰霊式の開催
当社が福知山線列車事故を惹き起こしてから14年となります。
極めて重大で悲惨な事故を惹き起こした事につきまして、あらためまして、お亡くなりになられた方々に心より深くお詫び申し上げるとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。
また、ご遺族様、おけがをされたお客様とそのご家族の皆様に対しましても、心からお詫び申し上げます。
【追悼慰霊式の開催】
本年も、4月25日に福知山線列車事故追悼慰霊式を開催いたします。
「お亡くなりになられたお客様へのお詫びとともにご冥福をお祈りし、哀悼の意を捧げる場」として、これまでと同様、厳粛な気持ちで臨みたいと考えております。
なお、本年の追悼慰霊式は、昨年9月に整備いたしました「祈りの杜 福知山線列車事故現場」において開催いたします。
「祈りの杜」は、お亡くなりになられた方々の慰霊・鎮魂の場であり、そういった趣旨にふさわしい式典となるよう、しっかりと準備を進めてまいります。
【ご出席の予定】
本年の追悼慰霊式には、4月17日時点で303名のご遺族様、235名のおけがをされた方にご出席をいただく予定となっております。
ご遺族様やおけがをされた方々のほか、関係者の方々にご案内をさせていただいております。
式次第の詳細につきましては、あらためてお知らせしたいと考えております。
3 JR西日本あんしん社会財団設立10年
4月1日をもちまして、公益財団法人JR西日本あんしん社会財団が設立されて10年を迎えました。
これまでご支援をいただいた関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
【設立趣旨・目的】
JR西日本あんしん社会財団は、当社が福知山線列車事故を惹き起こしたことの深い反省に立ち、少しでも社会のお役に立てるようにと、2009年4月1日に当社の寄付拠出により設立されました。
事故で被害に遭われた方々への対応は当社が責任を持って行ってまいりますが、地域社会に対しても多大なご迷惑をお掛けしたことから、「安全で安心できる社会づくり」の一助になればとの思いで、新たに財団を設立して取り組むこととしたものであります。
【活動内容】
財団ではこれまで「いのち」や「こころ」をテーマにさまざまな活動を行ってまいりました。
当社は、お客様のかけがえのない尊いお命を奪い、ご家族などに深い悲しみを与えてしまったことから、この悲しみに寄り添うグリーフケアについては重要な取り組みだと考え、2007年に開始した聖トマス大学の公開講座「『悲嘆』について学ぶ」に寄付助成をさせていただきました。
そして、その事業は財団が引き継ぎ、現在は「いのちのセミナー」として財団の中心的な事業のひとつになっています。
セミナーでは、グリーフケアの専門家をはじめ、さまざまな講師を招き、多様な観点から「いのち」や「こころ」について考えていただく機会を提供させていただいており、これまで約5万人の方にご参加いただきました。
また、事故や災害への備え、発生後の被害者の心身のケアなどに関する活動や研究に対する、公募による助成事業として、これまで446件、約4億円の助成が行われました。
団体や研究者の皆様には、地域の安全や安心につながる活動や研究に大変真摯に取り組んでいただいています。
例えば、和歌山大学と当社が連携して行っている「鉄學(てつがく)」という津波に備えた鉄道を使った防災教育プログラムがありますが、これは財団からの助成による研究を契機に実現したものです。
ほかにあまり例のない取り組みとしては、AED訓練器の助成事業があります。
地域で救命処置の普及活動に取り組む団体に対して、AED訓練器と訓練用人形を提供させていただくもので、2015年に開始しました。
各団体で積極的に取り組んでいただいており、これまで4年間で約3万人の方々に対する講習が行われました。
一人でも多くの助かる命を救うことにつながればと考えています。
財団においては、設立10年にふさわしい事業も検討されております。
福知山線列車事故を契機に設立されたこの財団が、今後も地域社会の「安全で安心な社会づくり」にお役に立てるよう、当社としても引き続き支援してまいります。