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ニュースリリース

2019年1月21日
経営関連

社長会見
1.最近の営業・輸送概況
2.紀勢線における津波対策
3.倒木対策
4.JR西日本イノベーションズの取り組み

詳細

1 最近の営業・輸送概況
【取扱収入】
 12月は、年末年始期間の前売りや天皇誕生日を含む3連休のご利用が好調に推移したことなどにより、収入計で101.4%と前年を上回りました。1月は14日時点では、年始および成人の日を含む3連休のご利用が好調に推移していることなどにより、対前年102.4%と前年を上回っております。

取扱収入
 ※注釈: 駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。
 ※注釈: 直営の速報値です。(旅行会社発売分などを除く)

【ご利用状況】
 12月は、天皇誕生日を含む3連休を中心にご利用が好調に推移したことなどにより、山陽新幹線対前年101%、北陸新幹線同105%、アーバンネットワーク同105%と前年を上回りました。在来線特急は、対前年99%と前年を下回りました。1月は14日時点では、年始および成人の日3連休のご利用が好調に推移したことにより、山陽新幹線は対前年102%、北陸新幹線同102%、在来線特急同103%、アーバンネットワーク同106%と前年を上回っております。

ご利用状況
 ※ 実績は速報値です。

2 紀勢線における津波対策
【課題認識と従来の取り組み】
 紀勢線は長距離にわたり海岸沿いを走行しており、地震が発生した場合には、数分で津波が到達すると想定されていることから、東日本大震災以前から先行して津波対策を実施してまいりました。
 例えば、津波ハザードマップを作成し、それを携帯用マップにして全乗務員が携帯できるようにしています。このマップを見れば、地点ごとにどの程度の津波が想定されているのかが一目で分かります。また、線路沿いの電柱に津波避難標を設置し、津波浸水区域にいるのかどうか、どちらの方向に避難すればいいのかが一目でわかるようにしています。さらに、2008年度からは、実車を活用した津波避難訓練を社外と連携しながら実践しています。

<南海トラフ巨大地震が発生した場合の津波に関する想定>

南海トラフ巨大地震が発生した場合の津波に関する想定

<東日本大震災以前から実施してきた主な津波対策>
東日本大震災以前から実施してきた主な津波対策


【東日本大震災を受けて開始した取り組み】
 このように、先行して津波対策を実施してまいりましたが、東日本大震災を受けて、改めて南海トラフ地震を想定し、より実践的な取り組みを実施しています。
 例えば、お客様が乗車中に地震が発生した場合に安全に避難していただけるよう、特急車内には避難方法をご案内する4か国語表示のリーフレットを設置しています。また、新宮〜紀伊田辺駅間を運行する普通列車のドアには、車外に避難する方法をシンプルにお示ししたシールを掲出しています。また、津波がすぐに到達することが想定され、近くに踏切などの避難出口がなく、かつ列車移動が可能な駅間に降車台(3カ所)を設置し、即座に避難を開始できるよう対策を行っています。さらには、一部の駅でこ線橋を山側に延長したり、津波避難専用の通路を設置するなど、いち早い避難が可能となるようハード面の整備を進めてきました。

東日本大震災後に実施してきた主な津波対策

 以上のような対策に加え、2017年4月からはVRを活用し、津波発生時の運転士の判断力を養う教材を取り入れました。また、毎年、東日本大震災が発生しました3月と、「世界津波の日」の11月には、自治体等と協力して大規模な避難訓練を実施していますが、鉄道会社で初めて駅間で直接列車から飛び降りて避難する訓練や外国人に参加いただく訓練、夜間の訓練など、来るべき地震・津波に備えてより実践的な訓練を実施しています。

VRを活用した教材の製作・導入 イメージ画像

【今後の課題】
 今後のさらなる取り組みとして、鉄道総研のシステムを活用して、構造物の弱点箇所の把握と対策を進めてまいります。
 紀勢線では津波発生時の避難について、列車による移動含めて運転士の判断によると定めているところですが、盛り土などの構造物はどのぐらいの震度の地震に耐えられるのか、列車を停止させてもいい箇所なのかどうか運転士は瞬時に判断できません。そこで、2019年度から鉄道総研の鉄道地震災害シミュレータを活用し、各箇所の構造物の耐力を把握します。 そして、その情報を基に、耐力が弱い区間に対する耐震補強の実施、またはその区間を運転士に明示することにより、列車を停止させない取り組みを進めてまいります。また、鉄道防災教育と地域学習を組み合わせた「鉄學」を継続して実施し、鉄道乗車中に津波が発生した場合の避難を体感していただくとともに、率先して避難していただける方を増やしていきたいと考えています。

津波避難のさらなる安全性向上に向けて

地域と一体となった教育の取り組み


3 倒木対策

【課題認識】
 災害の激甚化や森林の手入れ不足などに伴い、鉄道設備に影響を及ぼす倒木事象は例年発生しています。
 広域にわたる営業エリアを管轄する当社が、自然災害による事故や輸送障害を防止し安全・安定輸送を実現するためには、効果的かつ効率的な倒木対策を実施することが課題の1つです。ここで、従来の倒木対策に加えて、2017年度からの施行を踏まえ2018年度より本格導入している、当社の新たな倒木対策の流れを簡単にご説明します。
 まず、倒木対策を優先して行うべき「倒木対策優先箇所」を、鉄道沿線の環境や過去の倒木発生実績などの条件から抽出します。次に、抽出された「倒木対策優先箇所」に対して、「樹木医」という資格を有した社外の専門家が、樹木の状態を診断し、その診断結果を参考に、各箇所の状態に応じた伐採・運転規制などの対策を実施していくこととしております。
 倒木への効果的な対策方法を選ぶにあたり、この樹木医による診断が重要なカギを握ります。

課題認識と倒木事象低減に向けた新たな取り組み


【樹木管理のレベルアップを目的とした取り組み】

 一方で、より効率的かつきめ細かに倒木に至るリスクを把握するためには、日常的な巡回、点検を行う当社社員の役割が重要となります。そのため、当社の保守係員による樹木の日常管理のレベルアップを目的とした仕組みづくりを進めています。具体的には、保守係員の倒木に対する意識の向上、樹木に関する知識の向上に力を入れており、2017年度から、各職場の担当者を対象に、社外の樹木医による机上教育・現地教育を試行し、今年度から本格実施しています。
 まず机上教育において樹木に関する基礎知識や倒木発生のメカニズムなどを学習し、次に現地教育において実際の樹木の診断を経験、日常的な巡回、点検で活用できる着眼点を学習します。この教育を受けた社員が各職場の社員へその学習内容を周知・教育することで、樹木医の資格を持っていなくても、樹木の状態を把握し、倒木リスクの高い箇所を判断できる社員を育成しています。今後も樹木医による診断、樹木医の知見を活かした保守係員による巡回・点検を推進し、より効果的、効率的な倒木対策を行うことで、鉄道輸送の安全性・安定性のさらなる向上を目指します。

樹木医による教育


4 JR西日本イノベーションズの取り組み
JR西日本イノベ―ションズは、スピード感を持ってベンチャー企業等との連携を推進することで、外部の優れた技術・ノウハウによる鉄道事業の持続的運営及び事業創造の拡大を実現することを目的として設立致しました。西日本をはじめとした地域の活性化、ベンチャー企業の成長、JR西日本グループのさらなる発展を、「三方良し」の精神で後押しし、イノベーションの創造と社会課題解決への挑戦、それらを通じた地域共生の実現に取り組んでおります。
 これまで鉄道事業におけるイノベーションの創造に向けて、AIやビッグデータ、次世代モビリティといった新しい技術やアイデアを活用したベンチャー企業と出資・提携をし、現在共同開発、実証実験を進めているところです。
 また、特に地方における社会課題を解決すべく、交流・定住人口の拡大、地域の産業創出や働き方改革に取り組むベンチャー企業への出資・提携にも取り組んでおり、古民家再生やしまなみでのサイクルシップ導入など成果を上げつつあります。
 このCVCの特徴は、出資案件の半数は西日本を中心とする地域のベンチャー企業だという点であり、引き続き、地方にもしっかり光をあて、当社エリアをはじめとする地域の活性化に貢献していきたいと考えております。

 JR西日本イノベ―ションズの概要

【東南アジアの個人旅行のお客様を中心とした誘客の促進】
 そしてこの度、訪日のお客様に西日本エリアを、より快適に旅行していただくことを目指し、当社グループの日本旅行と共同で、GOQUO(ゴークオ)という海外ベンチャー企業への出資を行い、資本業務提携を締結いたしました。この会社は、主に、航空券とホテルなどを組み合せて販売する、ダイナミック・パッケージ・エンジンと呼ばれる予約システムを低コストで提供しており、東南アジアを中心に20社以上の航空会社にサービスを拡大しています。
 当社グループとしては、GOQUOの予約システムを通じて、スマートフォンなどからオンラインで航空券を予約される訪日のお客様に、当社のレールパスや西日本の魅力を体感できる現地ツアーなどを提供することが可能となります。
 本提携の第一歩として、来月から香港航空子会社のHKA Holidays(エイチ・ケー・エー・ホリデイズ)において、当社レールパスの販売を開始する予定です。
 今後は、JR西日本グループのコンテンツとJR西日本イノベーションズが出資しておりますベンチャー企業の古民家宿泊やサイクルシップ体験などのサービスと連携・融合しながら、訪日のお客様が求める快適で魅力あふれる旅行体験・おもてなしをグループ全体で引き続き提供してまいります。

 東南アジアの個人旅行のお客様を中心とした誘客の促進

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