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ニュースリリース

2023年3月23日

相互直通運転を行っている東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線の信号保安システムを
2028年度に同一の無線式列車制御システムに更新します
~列車の遅延をより早く解消し、運行の安定性向上に取り組みます~

東急電鉄株式会社
東京地下鉄株式会社

東急電鉄株式会社(本社:東京都渋谷区、取締役社長:福田 誠一、以下「東急電鉄」)および東京地下鉄株式会社(本社:東京都台東区 代表取締役社長:山村 明義、以下「東京メトロ」)は、2028年度の稼動を目指して、相互直通運転を行っている東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線の信号保安システムを同一の無線式列車制御システム(以下「CBTCシステム」)に更新します。なお、信号保安システムの更新に際して、相互直通運転路線間にて両社が連携し、CBTCシステムを同時期に導入する取り組みは、国内初の事例となります。

CBTCシステムは、列車の安全・安定運行を確保するために、無線通信技術を活用して列車の位置や速度を連続的に把握し、列車間の安全な間隔を確保する新方式の信号保安システムです。CBTCシステムでは、先行列車が進行すると、後続列車はその進行距離に応じ、従来システムよりも速やかに進行可能となるため、高い遅延回復効果が得られるとともに、システムを構成する設備全体を2系統設けることで安定稼動につながり、運行の安定性が向上します。加えて、従来の信号保安システムと比較して省設備化が図られることにより、メンテナンス性の向上や環境負荷の低減にも寄与します。

東京メトロでは、丸ノ内線において、2018年度にCBTCシステムの安全性評価を行うため仮設設備での試験運転を実施し、2022年度より実運用へ向けた本設備での走行試験を営業線運転終了後に開始しました。2024年度に丸ノ内線、2026年度に日比谷線にて稼動する予定です。
東急電鉄では、踏切制御を高度化し、列車速度に応じて踏切の警報開始地点を可変することにより、特に列車が遅延し低速度での運転時に踏切遮断時間の改善も見込まれることから、大井町線においてもCBTCシステムを導入し、2031年度に稼動する予定です。

相互直通運転を実施している2路線がともに共通化したCBTCシステムを導入することで、双方の路線で遅延回復効果が得られ、運行の安定性が向上します。また、相互直通運転を実施する際、車両に各路線の信号保安システムに対応した装置を搭載する必要がありますが、同一の車上装置にて両線を相互に運行することが可能となり、ライフサイクルコストの効率化が図られます。さらに、現行システムとの接続を考慮せずに両線の新システム同士を接続することができるため、両社相互に導入コストの低減に寄与します。

東急電鉄と東京メトロは、その他の相互直通運転路線においても信号保安システムの統一を目指すとともに、鉄道におけるさらなる安全性・安定性向上に向けて引き続き連携を図っていきます。

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