さらばキハ58系 現役最後の国鉄急行型気動車が引退 いすみ鉄道
昭和の時代の風景が、またひとつ消える。
いすみ鉄道(千葉県)を走り、「レトロ車両」として人気の高い現役最後の国鉄急行型気動車「キハ58系」。今月27日に、その定期運行が終了する。
歴史的な車両が走る最後の姿を目に焼き付けようと、その運転日には大勢の鉄道ファンや観光客が全国から押し寄せ、沿線の駅や踏切などでカメラを構える。
旧国鉄木原線の路線を引き継ぐ形で、千葉県や大多喜町などの沿線自治体が出資し、1988年にJR東日本から第三セクター化したいすみ鉄道。沿線人口が少ないこともあり、慢性的な赤字が悩みの種だった。
厳しい赤字に 公募社長が国鉄型気動車を導入
90年代になると年間約1億数千万円という赤字が続き、出資する地元自治体からは廃止を前提とした代替交通手段の検討を求める声も上がっていた。
経営再建の最中の2007年、「民間的感覚を取り入れての再生」を狙い社長の公募を発表。2度目の公募で、元ブリティッシュ・エアウェイズ日本支社の旅客運航部長で鉄道ファンの鳥塚亮(あきら)氏(62)が社長に就任した。
鳥塚氏は、赤字からの脱却のため、様々なことに取り組んだ。
訓練費用を自己負担して運転士になれる制度を導入して経費削減と人手不足の両立を図ったり、アニメ「ムーミン」のキャラクターをあしらった列車を走らせたりするなどの施策で、いすみ鉄道を全国に知られる観光鉄道にまで育て上げた。
国鉄形気動車の導入も、その一つ。
2011年4月、JR西日本…