廃止決定のJR留萌線、休日は大混雑 ワンマン車両から見えた風景は

有料記事

奈良山雅俊
[PR]

 JR北海道留萌(るもい)線(深川―留萌、50・1キロ)の石狩沼田―留萌(35・7キロ)が来年3月末で廃止される。残る深川―石狩沼田(14・4キロ)もその3年後の2026年3月末で廃止になる予定だ。今年8月末の廃止決定後、これまでドラマや映画の舞台になった鉄路の廃止を惜しみ、多くの鉄道ファンらが沿線を訪れている。

 留萌線は北海道内陸部の深川市から、秩父別(ちっぷべつ)町、沼田町を経て日本海側の留萌市まで走る。記者は留萌市の北の小平(おびら)町出身。留萌線はなじみがある路線だが、最近は利用することはなかった。ところが留萌の知人によると、「土日や祝日は大混雑」だという。そこで約20年ぶりに乗ってみることにした。

 廃線決定から約2カ月が過ぎた11月5日の昼ごろ、石狩沼田駅前の駐車場に車を止め、駅舎へ入った。待合室で列車を待っていたのは、自称「降り鉄」という男性1人。だが到着したワンマン車両に乗り込むと、土曜日ということもあってか、40人余りの乗客で満席状態だった。ほとんどの人が始発の深川から乗り込んだようだ。

 車両は収穫が終わった晩秋の田を縫うように走る。車窓から風景を撮る人、運転席の真後ろから小型ビデオカメラで鉄路を撮る人、列車の揺れを味わうかのように目を閉じて座席にいる「求道者」のような人、そして家族連れもいた。

窓から見つめる「萌ちゃん」

 木造の小さな待合所が立つ真布(まっぷ)駅を経て、恵比島(えびしま)駅に着いた。普段使われる駅舎は車両を改造したものだが、隣には立派な木造駅舎が。1999年放送のNHKの連続テレビ小説すずらん」のロケセット「明日萌(あしもい)駅」だ。このセットに合わせて、通常の駅舎も全体が焦げ茶の板で覆われた。

 明日萌駅に入るには許可が必…

この記事は有料記事です。残り1235文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら