西武鉄道は、AI(人工知能)や3D画像解析システムを用いて踏切内の異常を検知するシステムの運用を始めた。踏切内に取り残された人をカメラで検知する。国土交通省によると、3Dカメラを使った踏切向けシステムは国内で初めてで、AIを使ったものは2例目という。

 運用は14日に始めた。カメラは、3D画像解析を使ったものが西武新宿線内の井荻―上井草間の井荻第2号踏切(東京都杉並区上井草1丁目)に、AIを使ったものが西武池袋線内の椎名町―池袋間の池袋第9号踏切(東京都豊島区西池袋4丁目)と所沢―西所沢間の所沢第3号踏切(埼玉県所沢市久米)の2カ所に、それぞれ設置された。

 踏切には、大事故を予防するために主に車を検知する装置が設置されてきたが、人の検知に向けても開発を進めてきたという。

 3Dのものは二つのレンズで距離や高さなどを立体的に認識し、AIのものは骨格などを検知して人を認識する。共に、踏切内に3秒以上とどまっていた場合に運転士に異常を知らせる仕組みだ。西武鉄道は踏切が多く全体では340を数え、今年度はさらに二つの踏切で設置予定という。(角詠之)