スローな電動車、デマンド交通 東京・三鷹で新たな「地域の足」実験

有料記事

井上恵一朗
[PR]

 大型バスが入れない住宅街など公共交通の空白地域を解消するため、自治体などが運行するコミュニティーバス。東京都内各地に広がるが、利用が少ない路線も少なくない。小回りのきく車両の導入や新たな交通技術を生かし、その利用促進を図る自治体もある。

武蔵野市が運行する「ムーバス」の成功を機に、各地に広がったコミュニティーバスが岐路を迎えています。さらなる高齢化社会を見据え、利用してもらえる「地域の足」とは。各地の模索を後半で紹介しています。

 車幅1・5メートル。軽自動車並みの「小型EVバス」が三鷹市井の頭地区の住宅街を縫うように走っていく。市が先月下旬に始めた実証運行で、使われている車両だ。バスを名乗るが、乗務員を除く定員は4人。「グリーンスローモビリティ」と呼ばれる最新の電気自動車で、最高時速は19キロ。住宅地を走る際に求められる安全性と、環境への配慮を兼ねて採用された。

 三鷹市は1998年にコミュニティーバスの運行を開始。現在は市内6路線を走る。ただ観光客らが訪れる「三鷹の森ジブリ美術館」を通る路線を除けば、利用者は多いとは言えない。そこで市は、2地区で新たな交通手段の検証を始めた。

 井の頭地区はこれまでより住宅街に分け入るルート設定が売り。従来のコミュニティーバス(車幅2・1メートル)では入れない狭い道も小型EVバスなら通れて、沿線住民の利便性は高いとみる。最寄りの三鷹台駅などとつなぐ。

■AIで最適ルート導くデマン…

この記事は有料記事です。残り1069文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら