新幹線の旅、座席で愛犬と一緒に JR東が臨時列車検討、課題も

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小川崇
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 JR東日本は、愛犬と一緒に席に座れる新幹線の導入を検討している。ふだんは持ち運び用のケースから出すことはできないが、コロナ禍で利用者が減るなか、ペット同伴で移動を楽しめるサービスを提供する試みだ。1世紀前も「手荷物」扱いされていた愛犬と、気軽に旅を楽しめる日がくるかもしれない。

 都内の会社員、武岡ゆかりさん(49)が愛犬を連れて旅をするようになったのは8年ほど前。車はもっておらず、旅は列車か飛行機だ。実家がある山形に帰るときの新幹線では、愛犬を入れたキャリーバッグから目が離せず、車窓からの景色を楽しむ余裕はなかった。「他の乗客に迷惑をかけないことばかり考えていた」という。

 飛行機では、貨物室などに預けるため、2時間ほど離ればなれになる。あるとき、空港の手荷物カウンターに並んでいると、愛犬がキャリーバッグの中で震えていた。「楽しい旅行のはずなのに、怖い思いをさせてしまっていたんだ」。それ以来、一緒に旅行することはなくなった。

 JR東日本などは5月、新幹線の座席に愛犬を直接乗せて旅行できるイベントを企画した。上野駅北陸新幹線ホームにチワワやキャバリア、ブルドッグなど21匹と乗客35人が集まり、特製の抗菌シートに覆われた座席にそろって座った。

 武岡さんも愛犬のチワワと乗車した。愛犬は車窓から街並みを眺めたり、ひざの上で眠ったり。「楽しいね」と声をかけ、一緒に写真を撮った。目的地の軽井沢に向かう約50分間。「いつもなら一刻も早く着いてほしいと思い、旅路に良い思い出はない。一緒に乗れるのはありがたい」と話した。

 JRや主な私鉄の車内では、盲導犬などを除くペットと乗車する際は縦、横、高さの合計が120センチ以内のケース(動物と合わせて重量10キロ以内)に入れる必要がある。手回り品として運賃と別料金もかかる。1899(明治32)年の時刻表にも「客車には載せず、犬箱に入れて乗務員らが使う車両で運送」という趣旨の記載が残る。

 JR東のグループ会社で企画…

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