SLに恋して日本へ移住 27歳米国人男性が願うローカル線の復旧

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伊藤恵里奈
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 かつてSLが走っていた鉄橋が、跡形もなくなっていた。

 2020年7月下旬、熊本県を豪雨が襲った約3週間後、熊本市在住のメイソン・バスカークさん(27)は、JR肥薩線の鉄橋がかかっていた場所でぼうぜんとなった。

 豪雨で球磨(くま)川とその支流が氾濫(はんらん)。バスカークさんは、被災した人吉市内で泥かきなどのボランティア活動をした帰り、肥薩線の様子をみるために立ち寄った。鉄橋は濁流にのみ込まれ、流されてしまっていた。

 「復旧までに、どれだけ時間や費用がかかるんだろう」。途方に暮れた。

 当時、日本で暮らし始めてから1年あまりだったが、肥薩線を走る観光列車「SL人吉」にはすでに50回以上乗車していた。四季折々の車窓の風景や、出会った乗客たちとのやりとりなど、数々の思い出が頭の中を巡り、胸が張り裂けそうになった。

日本の蒸気機関車にひかれて、熊本に移住したバスカークさん。記事の後半では、日本の鉄道にほれ込んだわけや、日本の鉄道を愛する外国人たちとの交流、熊本豪雨で被害を受けた肥薩線への思いを紹介します。

蒸気機関車が好きで日本へ

 バスカークさんは、米国ペン…

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