横転した観光バスの車体を検証 長いタイヤ痕、ブレーキ状態など焦点

小山裕一 魚住あかり
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 静岡県小山町の県道で観光バスが横転して乗客1人が死亡し、多数の負傷者が出た事故で、県警は18日、事故を起こしたバスの車体の検証作業を始めた。捜査関係者によると、運転していた野口祐太容疑者(26)=埼玉県飯能市=は「横転前、ブレーキがきかなかった」と供述しているといい、県警は、下り坂でフットブレーキを多用したことにより、熱でブレーキの作動に異常が起きていなかったかなどを調べる。

 検証は静岡県御殿場市にある車体メーカーの工場で実施。県警の捜査員のほか、メーカーの技術者らも立ち会った。

 事故は富士山の5合目から急勾配を約5キロ下った片側1車線の緩やかな右カーブで起きた。これまでの県警の調べでは、事故現場の手前数百メートルから路面にタイヤ痕が残り、現場近くでは車線から道路左側ののり面にまっすぐに延びていた。タイヤ痕は反対車線にもあり、横滑りしたような形跡もあったという。県警は野口容疑者がバスを制御できず、カーブでのり面に乗り上げた後、車体右側を下にして横転したとみている。

 バスには乗員、乗客計36人が乗っており、74歳の女性が死亡。県警はけが人は26人で、うち8人が重傷だったと確認した。(小山裕一、魚住あかり)

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