第5回斉藤雪乃さん、寝台特急で出会った少年との忘れられない思い出

有料記事開業150年 わたしの鉄道物語

聞き手・松永和彦
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 大学1年生の夏休みだったかな。鉄道好きの弟から、「青春18きっぷ」を使って東京へ行こうと提案があった。JR大阪駅大阪市)から快速列車とか乗り継いで、JR大垣駅岐阜県大垣市)へ。そこから夜行快速列車の「ムーンライトながら」で東京駅へ向かった。東京に行くことが目的じゃなくて、「青春18きっぷ」で乗り継いで行きたかった。

 新幹線で東京へ行ったことは何度もあったけど、「こんなに時間がかかるんだ」ということを肌で感じたかった。旅の道中を味わいたかったし、ローカル線の列車に乗っていると地域性が見られるのもいい。車内の広告が関西で見かけないものだったり、車内アナウンスの方法が違ったり。新幹線では味わえない魅力がある。「駅そば」が好きなんですが、地域によってだしの味が変わっていく。東に行くほど濃くなったんです。「青春18きっぷ」は鉄道アイドルとしての原点ですね。

鉄道好きは母の影響

 自宅の近所にあったJR西日本の吹田総合車両所(大阪府吹田市)や、阪急電鉄の正雀工場(同府摂津市)へは小さい頃よく行きました。鉄道が趣味だったんです。母はシベリア鉄道に乗って旅をしたことがあって、母からは「鉄道好きは私の影響ね」と言われています。

 だから芸能事務所へ出した書類の趣味の欄には「鉄道の旅」と書いたんです。すると、「関西で鉄道アイドルになってみないか」ということで、「じゃあ」と。知識も無いのに軽いのりでした。

 鉄道関係での最初の仕事は、フリーペーパーに鉄道のコラムを書くことでした。「鉄道アイドル」としての活動が始まりました。「青春18きっぷ」の旅日記とか、鉄道模型を扱う店を取材した感想を書いたりしました。やってみて知らないことは、自分で列車に乗ったり、ファンの人に教えてもらったりした。ブログに載せるとファンの人たちがコメントで教えてくれました。

トワイライトエクスプレスではたくさんの思い出が

 2015年に大阪―札幌間の定期運行を終えた寝台特急「トワイライトエクスプレス」が好きで、12月の自分の誕生日に合わせて乗っていました。仕事で2回、1人で2回、弟と一緒に1回の計5回乗ったけど、それぞれに思い出があります。昼前に大阪を出て、翌日の昼ごろに札幌に到着する。だいたい22時間ぐらい。

 初めて乗った時は窓から眺め…

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