バス横転の後続車4台に小学生117人 車内で5時間「がんばった」

魚住あかり
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 静岡県小山町の県道で13日、観光バスが横転して1人が死亡、多数の負傷者が出た事故で、観光バスの真後ろには、東京都渋谷区立幡代小学校の4年生117人を乗せたバス4台が走っていた。事故を起こしたバスがレッカー車で運ばれるまで、小学生らは約5時間を車内で過ごした。

 「いつ道が通れるのか。子どもがパニックになったらどうしようと不安だった」。加納一好校長は14日、こう振り返った。富士山須走5合目から御殿場市内の宿泊施設に向かう途中だったという。

 事故現場を子どもに見せないようにとカーテンを閉め、すぐに昼食の弁当の時間にした。教諭らは救助に向かい、横転したバスの乗客のけがの手当てをしたという。バスにはトイレがついており、ビデオを見たり、レクリエーションをしたりして約5時間を過ごした。体調不良を訴える児童はいなかったという。

 「子どもたちは落ち着いて行動した。よくがんばったと思う」と加納校長。宿泊学習中、児童はテレビを見ておらず、事故をよく理解していないようだという。「事実を知ったときの心の傷が心配。東京に戻ったら心のケアも考えたい」(魚住あかり)

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