蛇口ひねると、「最後の断水集落」に歓声 静岡の大規模断水ほぼ解消
台風15号の接近で県内に大雨が降ってから7日で2週間。静岡市清水区の大規模断水はほぼ解消されつつあるが、浜松市天竜区の土砂災害では二次災害が懸念され、大井川鉄道の全面復旧も時間がかかりそうだ。生活再建への課題は多い。
「最後の断水集落」の一つ、静岡市清水区宍原にたたずむ清水宍原小学校に6日午後、水道水が戻った。五時限目の授業が終了し、1階のトイレで用を足した児童たちは、洗い場の蛇口をひねると「水が出る」と思わず歓声を上げた。
9月25日から校内では断水が続いていた。学校は休校せずに、生活用水は教職員が近くの川からくんでバケツにためた。今週からは給食が始まったが、全校15人の児童は水筒を持参し、渇きをしのいだ。
この日、供給された水は生活用。それでも2年生の水上蒼桜さん(8)は「水が使えてめちゃうれしい」と級友らと時間をかけて手を洗い流していた。「トイレなど子どもたちに不自由な思いをさせてきました。大きな一歩です」と西沢伸明教頭。だが、すぐには飲用できず、本当の日常を取り戻すにはもう少し時間がかかりそうだ。
「取り残され感が強い」憤る人も
宍原地区とともに、飲み水が配水されていない小河内地区。両地区600戸で続く断水は6日には解消する予定だった。だが、同日夕の段階で目標は達成できていない。山間部の現地では、導水管のポンプアップ状況を確認する水道局職員の人数が増えている。
「生活用水だって、出たり出なかったり。飲み水なんて期待できない」。6日午前、小河内の給水場で男性運転手(60)は憤る。市は両地区への生活用水の供給は1日から始めたと発表したが、地域によっては届いていない箇所もある。この日はまだ顔も洗えずにいるという。「取り残され感が強い。行政はもっときめ細かく対応してほしい」と求めた。
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