記者も同乗、一番列車はまさかの展開 11年ぶり全線再開の只見線

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滝口信之
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 11年以上ぶりに全線で運行を再開したJR只見線。JR会津若松駅(福島県会津若松市)を発車する一番列車に鉄道好きの記者(33)も乗り込んだ。只見川沿いの絶景を楽しみに乗り込んだが、予想外の展開となった。

 1日午前5時半。会津若松駅には、カメラを持った多くの鉄道ファンが集まっていた。東京都江東区から運行再開にあわせて来た福田一誠さん(29)は子どもの頃からの鉄道ファン。乗った路線をYouTubeで配信するほどだ。5年前には只見線を鉄路と代行バスで制覇。「11年かけてでも復旧するところにロマンを感じる。沿線の風景を楽しみたい」と意気揚々と乗り込んだ。

 午前5時45分、車両が到着すると、乗客らが一斉にカメラを構えた。車内に入ると、すでに身動きがとれないほどの乗客がいた。車内には只見線沿いの様々な景色や風景の写真が飾られていた。

 午前6時8分、「11年の時を経て只見線、再会」などと書かれた横断幕やJR職員らに見送られ、列車は小出駅(新潟県魚沼市)に向け、出発した。

 沿線では、列車が通る度に手を振る人や、カメラマンの姿があった。

 会津坂下駅(福島県会津坂下町)を過ぎると、それまでの田園風景から一転、木々に囲まれた山岳一帯を走り始めた。列車のエンジン音も増した気がした。塔寺駅(同)を出発した直後の午前6時55分ごろ、急傾斜で列車は急停車した。

 「車両不具合が発生したため、点検します」

 アナウンスが流れると、乗客…

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この記事を書いた人
滝口信之
沖縄タイムス記者(朝日新聞から出向中)
専門・関心分野
東日本大震災、沖縄、高校野球