「ふるさとの存続がかかってんだ」 絶景を撮り続ける写真家の郷土愛

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斎藤徹
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おかえり只見線②奥会津郷土写真家の星賢孝さん

 「少し漂ってんな、川霧が。水鏡もいいな」

 9月の早朝。只見川沿いの「道の駅 尾瀬街道みしま宿」(福島県三島町)から徒歩数分の山の尾根でカメラを構えながら、星賢孝(けんこう)さん(73)=金山町=はつぶやいた。視線の先にあるのは、水面に浮かぶJR只見線の第1只見川橋梁(きょうりょう)だ。

 大量の雪解け水が流れ込む只見川は水温が低く、温かい空気との温度差で夏は川霧が発生する。川霧でかすむ橋を渡る列車を捉えた写真は、只見線を代表する風景として、今や国内外に知れ渡る。今年公開された自身が主役のドキュメンタリー映画「霧幻(むげん)鉄道」のタイトルにもなった。

 川霧や紅葉、冬景色。季節ごとに異なる趣を見せる只見線沿線の景観に魅せられて30年になる。あまたの沿線の撮影スポットを開拓し、国内外で写真展を開いた。写真撮影ツアーでは講師役も務める。多忙な日々を送るなか、年間300日は撮影にでかける。

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 「奥会津郷土写真家」と名乗…

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