離れたくてしかたなかった故郷 今は町議として只見線支える

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斎藤徹
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おかえり只見線④「只見線つなぎ隊」隊長の加藤夕子さん

 JR只見線の全線再開を約1カ月後に控えた9月6日。会津川口駅(福島県金山町)から、3両編成の列車が只見駅(只見町)に向けて走り出した。

 11年前の豪雨で不通になった同区間で、再開当日に運行する臨時列車の試運転を兼ねた試乗会だ。乗り込んだ沿線住民らの中に、加藤夕子さん(52)=金山町=の姿があった。

 実家に近い会津大塩駅手前の第7只見川橋梁(きょうりょう)にさしかかり、ガタゴトと鳴る音を聞いていると、子どもの頃の冬の思い出がよみがえってきた。親類の家に行くため妹と乗った列車は雪に阻まれ立ち往生。4~5時間閉じ込められたが、車内を走り回って遊んだのが楽しかった。ふいに涙があふれてきた。

 只見線を応援する「撮り鉄」や「乗り鉄」らでつくる「只見線つなぎ隊」の隊長を務める。復旧を後押ししようと、たくさんのろうそくに火をともして乗客を迎えたり、沿線で列車に手を振ったり、駅舎周辺を草刈りしたりしてきた。

 かつて「ごみしか落としていかない」と皮肉られた隊員たちには、現地で買い物をして、食べて、泊まることを「おきて」として課し、地元住民との距離を縮めてきた。

      ◇

 子どもの頃は、早くふるさと…

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