JR四国の運賃値上げめぐる公聴会中止に、公述の申し出なく

福家司
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 国土交通省は29日、JR四国が運賃値上げを申請したことを受けて運輸審議会が10月に開催を予定していた公聴会が中止になったと発表した。案に意見を述べる公述の申し出がなかったためという。運賃値上げをめぐる公聴会が開かれないのは異例とみられる。

 JR四国は8月、来春に平均12・82%の運賃・料金値上げを目指して、消費税の転嫁を除き27年ぶりとなる運賃の引き上げを国に申請した。公聴会は値上げ案を国から諮問された審議会が開く予定だったが、今月8日から22日まで公述の申し出期間に一人の希望もなかったという。一方で、傍聴については定員の60人を大きく上回る希望者があったという。

 コロナ禍でJR、大手私鉄各社の運賃値上げの動きが相次いでいるが、国交省運輸審議会審理室によると、公聴会が開かれないことは珍しいという。近畿日本鉄道の値上げをめぐる7月の公聴会では、奈良県知事が自ら出席して疑問を投げかけ、話題になった。

「値上げ幅を小さく」の意見も

 JR四国は開催中止について「コメントはいたしかねる」としたうえで、「(値上げを)ご理解いただけるよう、経営努力を重ねるとともに経営状況や輸送状況などを丁寧に説明していきたい」としている。同社によると、値上げ申請発表後、「なるべく値上げ幅を小さくしてもらいたかった」などとする5件の意見が同社に直接寄せられていたという。(福家司)

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