「動いて良かった」「待つしか」台風が通勤ラッシュに影響 名古屋

高橋俊成
[PR]

 台風14号は東海地方に20日未明に接近し、愛知県内でも強風によるけが人が出た。東海道新幹線は始発から運行を再開したが、一部の在来線で運転見合わせもあり、困惑する客もいた。

 JR名古屋駅は20日朝、スーツ姿の会社員や行楽客らで混雑した。東京ディズニーリゾートに行くという大学生の林征哉さん(20)=愛知県日進市=は「東の方が台風の影響があると聞いていて新幹線が動くか心配だった」。3カ月前から旅行を計画していたといい、「動いてよかった。天気も回復していると思うので楽しみたい」と笑顔を見せた。

 在来線は、通勤や通学で混雑する時間帯も運休が続く路線が複数あった。利用客は運行状況を示すモニターを確認したり、駅員に聞いたりしていた。

 「動き出したと聞いて家を出たが、掲示板が真っ暗で『どうしよう』という感じ」と会社員の女性(45)は苦笑い。名古屋市名東区の自宅から愛知県安城市へ通勤しており、この日は会社に連絡して1時間半遅い出社にしたという。運行情報を確認してから改札の中へと入っていった。

 名古屋市中村区の自宅と岐阜県恵那市を毎日行き来している野瀬正敏さん(68)は午前8時半ごろ、改札前で中央線の運休を示す掲示板を見て困った表情を浮かべていた。「今日はどうしても恵那に行かないといけない。動き出すのを待っとくしかないね」と声を落とした。

 東海道新幹線は始発から予定通り運行を始めた一方で、東海道線(豊橋―米原駅)や中央線(名古屋―中津川駅)は、線路の安全点検のため20日始発の運転を見合わせた。いずれも午前8時前から順次、上下線で運転を再開した。

 また、名鉄は名古屋本線の豊橋―伊奈駅を除き、すべての区間で始発から運行。近鉄も全線で始発から運行した。

 三重県桑名市では80代女性が強風にあおられて転倒するなど、2人が軽いけがをした。朝日新聞の集計では、名古屋市、岐阜市などでも被害があり、19日から20日にかけて東海3県で計11人が軽傷を負った。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません