西九州新幹線めぐる未整備区間 佐賀県と国交省の溝埋める「鍵」は
寿柳聡 加藤裕則
半世紀をかけて完成した、西九州新幹線の武雄温泉―長崎の全長66キロ。だが、未整備区間として新鳥栖―武雄温泉の約50キロが残る。建設手法や2駅を結ぶルートを巡り、国と佐賀県の議論は平行線のままだ。
佐賀県は、今回の開業にあたり「部分開業」や「未着工区間」といった言葉に強い抵抗感を示す。残りの区間も、通常の新幹線の「フル規格」での整備ありきという印象を与えるためだという。
国土交通省やJR九州が推すフル規格に対して、佐賀県がこだわるのは、国側が開発に失敗して導入を断念した「フリーゲージトレイン(FGT)」だ。車輪の幅が可変式の車両によって、線路の幅が違う在来線と新幹線の軌道を直通運転でき、乗り換え不要になる。
国交省やJR九州、長崎、佐…