西九州新幹線開業の光と影 長崎の「むつ念書」と「佐世保外し」

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石倉徹也 岡田真実 土居貴輝
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 武雄温泉駅(佐賀県)と長崎駅を結ぶ、JR九州西九州新幹線が23日、開業する。長崎市の期待感の大きさは、様変わりする長崎駅周辺の街並みにも表れている。ただ、計画は決して順調だったわけではない。整備計画決定から約50年。その軌跡を報告する。

開業をめぐる「密約」

日本中がオイルショック後の不況にあえぐ1978年。新幹線早期着工をめぐって、長崎県と国側は「密約」を交わしました。記事の後半では、当時の自民党三役の署名入りの「念書」とともに、ほんろうされた長崎県の苦渋の歴史を紹介しています。

 「100年に一度と言われる街づくり」。田上富久市長は、こう表現する。新幹線開業に合わせて、駅周辺を中心とする大型開発が進む。昨年11月には駅の西側に、国際会議も開ける大型コンベンション施設やホテル「ヒルトン長崎」が開業。来秋には商業施設が入る現在の駅ビルの隣に、新たな駅ビルが開業する。店舗やオフィスのほか、米ホテル大手・マリオットのホテルが入る。

 観光やビジネス、学会など多様な目的で長崎を訪れる人たちを受け入れる準備も各所で進む。全国でも流出人口が多い長崎市。市は開業をきっかけに交流人口をつくり出し、地域を活性化させたい考えだ。

 「新幹線の開業を機にどんど…

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