JR九州の駅無人化で転院余儀なくされ…車いす利用者3人が追加提訴

奥正光
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 JR九州が駅を無人化したことで移動の自由を制限され苦痛を受けたとして、大分市内の車いす利用者が同社に損害賠償を求めた訴訟で、新たに大分県内の男女3人が15日、大分地裁に提訴した。

 3人は日出町、大分市、別府市に住み、暘谷(ようこく)駅、南大分駅、別府大学駅を利用。訴状によると、同社が3月から最寄り駅の無人化や午後の時間帯の無人化をしたため、乗車・降車の介助の事前予約が必要となり、駅の利用が著しく難しくなった。通院中の病院の転院を余儀なくされたり、突発的な事態が起きた時の利用が困難になったりしたという。無人化は障害者差別解消法に反する差別行為だと主張している。

 3人のうちの一人で、暘谷駅を利用する日出町の福山陽子さん(51)は「(事前の)連絡なしでいろいろな人が使える駅になってほしい」と述べた。

 同訴訟は2020年9月、車いすを利用する大分市内の3人が1人あたり11万円の損害賠償を求めて提訴。原告側によると、原告の中心的存在だった吉田春美さん(69)が14日、亡くなった。大腸がん闘病中だったという。原告側代理人の徳田靖之弁護士は「吉田さんが中心になって引っ張ってこられた裁判。福山さんが遺志を継いで参加し、ほかの2人も賛同して下さって、亡くなった翌日に第2次の裁判が起こせてよかった」と語った。(奥正光)

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