JR只見線、全線再開前に試乗会 不通区間で11年ぶりに客乗せ走る

斎藤徹
【動画】JR只見線の不通区間で11年ぶりに乗客を乗せ、試運転列車が運行=斎藤徹撮影
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 10月1日に全線再開するJR只見線の会津川口(金山町)―只見(只見町)駅間の試乗会が6日、現地であった。11年前の豪雨災害以降、初めて乗客を乗せた列車が同区間を走った。

 全線再開日に運行する臨時列車の試運転を兼ね、JR東日本が企画。DE10機関車が牽引(けんいん)する旧型客車3両に沿線の自治体関係者ら約30人や、報道関係者が乗り込み、会津川口駅を出発した。

 乗客は、満々と水をたたえてゆったりと流れる只見川を車窓から眺めたり、沿線から手を振る地元住民や観光客に応えたりしながら、全長27・6キロの鉄道の旅を楽しんだ。

 列車は途中駅には停車せず、約50分後に只見駅に到着。試乗した只見町商工会長の目黒長一郎さん(73)は「11年ぶりの乗車だったが、代行バスでは味わえない素晴らしい景色を堪能できた。只見線の魅力を再認識した」と話した。

 只見線の同区間は2011年7月の新潟・福島豪雨で、三つの橋梁(きょうりょう)が流失するなど大きな被害を受け、不通となっていたが、今年7月から試運転が始まった。

 10月の全線再開後は、同区間の線路や鉄道施設は福島県が保有し、JR東が車両運行を担う上下分離方式になる。県や会津地域の17市町村は、只見線を「日本一の地方創生路線」と称して、観光を軸とした地域振興に活用していく予定だ。(斎藤徹)

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