苦境のローカル線を残したい 大学生の挑戦、第1弾は謎解きイベント

杉山匡史
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 島根大学の学生有志による「木次線つながるプロジェクト」が、存廃が取りざたされるJR木次線の利用を、SNSを通して若者らに呼びかける活動をしている。第1弾として7月、乗車して隠された質問に答える謎解きイベント(10月2日まで)に参加。面白さや楽しみ方など、木次線の魅力の再発見に奮闘中だ。

 メンバーは1~4年生の計5人。島根県雲南市が昨年9月~今年3月、木次線を盛り上げる方法を探ろうと初めて実施した取り組みに協力。沿線の町並みや景色、飲食店の情報などをSNSで発信した学生が中心だ。3月の最終報告会では、木次線や沿線の良さに気づいたと、今後も学生たちが関わって支えていく思いを伝えていた。

 今回は4月にプロジェクトを立ち上げ、学生たちが主体となって進めている。費用などは、昨年の取り組みに成果があったとして島根、広島両県の沿線自治体などでつくる利活用推進協議会(事務局・雲南市)が支えている。

 7月16日に参加した謎解きイベント「新型ヤマタノオロチからの挑戦状!」は同協議会が初めて企画した。区間の木次―出雲横田駅間に乗車しないと答えられない問いもある。全問正解すれば沿線の特産品が抽選でプレゼントされる。

 学生5人は列車に乗って挑戦。折り返し列車まで時間がある出雲横田駅では問いに答えた後、人気が高い奥出雲町内の飲食店のハンバーガーを味わい、駅周辺も散策した。

 また8月12日には雲南市内で、木次線にも関心を持つ広島市の修道中学・高校鉄道研究班の生徒8人とも交流した。「少しでも力になりたい」と修道の生徒たちは、鉄道を活用した広島県内での様々な催しにヒントを得た活性化策を次々と提案。島根大生たちも「参考にしたい」と刺激を受けた様子だった。

 プロジェクトの大学生たちは9月いっぱいある大学の夏休み中、学生たちに乗車を促すツアーも考えている。

 雲南市出身でリーダー役の教育学部3年、験馬(けんま)香穂さん(20)は「沿線の人たちとのつながりも強くしながら学生の利用を促して盛り上げていく。期待に応えるためにも継続して取り組みたい」と意気込む。

 プロジェクトはこの秋、中間報告をする予定だ。(杉山匡史)

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