かつて路面電車として福岡市や北九州市内を走り、譲渡先の筑豊電気鉄道(本社・福岡県中間市)でも45年にわたり運行されてきた電車「2000形・2003号」が11月で引退する。県内で活躍する最後の「元路面電車」が現役を終える。

 「チン、チン」。その電車に乗りこむと発車ベルが鳴った。路面電車の通称「チンチン電車」の由来となった懐かしい音だ。うなるように響くモーター音。天井の照明は蛍光灯だ。歳月が刻まれた車体に通学生や地域の住民らが揺られている。終点で折り返すと、行き先の表示を運転士が手動で切り替えていた。

 親会社の西日本鉄道(福岡市)広報課によると、2000形は福岡市内を走っていた「1301形」と北九州市内の「1000形」が合体して生まれた。いずれも西鉄が運行していた2両編成で、1975年に計16両が筑豊電鉄へ。1301形(64年製造)の2両が1000形(59年製造)の1両を挟む3両連接の「2000形」に改造され、77年から投入された。

 筑豊電鉄は黒崎駅前(北九州市…

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