JR東のローカル線、維持か転換か 地元は「分析が廃線につながる」
東北を走るJR東日本のローカル線(地方交通線)の利用客減少に拍車がかかっている。従来の少子化や車の普及に加えコロナ禍が追い打ちとなり、新幹線などで得た利益で地方路線を維持することが厳しくなってきた。鉄路か、転換か。国鉄民営化から35年、沿線に重い問いが突きつけられようとしている。
JR東日本の苦境は、2月に始まった国の有識者会議であらわになった。今後の公共交通の在り方を話し合う中で、同社がローカル線の利用状況を一覧で公表した。
旧国鉄の経営再建では、平均通過人員(1日1キロあたりの客の数)8千人未満の路線は、採算が合わない「地方交通線」とされた。さらに4千人未満を「特定地方交通線」とし、バスや三セクに転換した。ただ、並行して走る道路が未整備といった理由で、岩泉線(岩手県)などは「特定」から除外された。
駅廃止やワンマン化でもJRは「厳しい状況」
1987年度の国鉄民営化の際、JR東は33路線を地方交通線として受け継いだ。東北にあったのは21路線で、この時点で「4千人以上」だったのは、男鹿線(秋田県)、左沢線(山形県)、田沢湖線(岩手・秋田県)の3路線。その後「4千人以上」は、コロナ前の2019年度に田沢湖線だけとなり、翌20年度にはゼロとなった。
同年度の実績で見ると、現存…