電車のドア、閉まるまで早すぎない? 記者は計って考えた
滋賀県甲賀市のJR草津線の駅で、電車を降りようとした男性(66)が閉まったドアに挟まれてけがをした。持病があって降りるまでに時間がかかったため、乗務員が気づかずにドアを閉じたらしい。体の不自由な乗客もいるなか、ドアを安全に開け閉めするにはどうしたらいいか。記者はストップウォッチを手に考えた。
ドアに挟まれ、今も痛み
男性がけがをしたのは3月18日だ。大学生だった長女の卒業式に出るため、妻、次女と京都へ行った帰りだった。最寄りの甲南駅で電車を降りようとした際、閉まったドアに挟まれた。脇腹に痛みを感じた。ドアはその後すぐに開いた。
男性は難病の膠原(こうげん)病を患う。筋力が低下し、疲労しやすい。その日、移動で疲れていて、荷物もあったので電車が完全に止まるまで席を立たず、家族を気遣いながら出口に向かった。それでも十分間に合うと思っていたという。
翌日病院へ行った。骨に異常はなかったものの、胸のねんざと診断された。現在も背中や脇腹、右手首などに痛みが残るという。
JR西日本とは電話などで複数回やりとりしたが、「こちらに非はない」の一点張り。男性は「納得がいかない」と話す。
JR西は朝日新聞の取材に対し、「車掌は乗降客が途切れたことを確認してドアを閉め、男性が挟まれた瞬間、ただちにドアを開けた」と説明した。到着前に車内放送で停車時間はわずかだとアナウンスしたという。「車掌は車内から降りようとする人の姿は確認できない」とし、「落ち度はない」とする。
JR西によると、草津線では2019~21年度、乗客がドアに挟まれたことが今回の件を含めて3件あった。管内全体の件数は「集計していない」として明らかにしなかった。
電車のドアがどれぐらいの時間で開け閉めされているか、考えたことはありますか。記者は、男性がけがをしたのと同じ路線に向かい、確かめてみました。
■「14秒」で閉まる駅も…