矢印4本の信号機が急増 「撮り鉄」だけでなく「撮り信」も集結か
信号機で点灯する矢印は、直進、右折、左折を示す3種類。一般的にはそんなイメージだが、栃木県では今後、4種類の矢印が出る信号機がたくさん登場する。JR宇都宮駅東口と栃木県芳賀町を結ぶ次世代型路面電車「LRT」が来春の開業を目指しており、電車用と自動車用がひとつになった信号機が設置されたからだ。すでに信号機マニアの間では話題になっているという。
18カ所に設置
矢印が四つ表示される信号機は、LRTが走る軌道(レール)が、自動車と同じ道路に敷かれる区間に立てられる。今回整備される約14・6キロのうち約9・4キロ分で、県警によると18カ所の交差点に設置される。
芳賀・宇都宮LRT
JR宇都宮駅東側から芳賀町までの約14・6キロを、宇都宮市と芳賀町が整備。概算事業費は約684億円。両市町や民間会社が出資した宇都宮ライトレールが運営する。車両の愛称は「ライトライン」。最高速度は時速40キロで、ピーク時には6分間隔で運行する。車両定員は約160人、停留所19カ所。
北関東の多くのドライバーにとって、LRTと並走したり軌道を横切ったりする体験は未知の世界だ。国内の路面電車は、国土交通省によると昨年9月現在、札幌市や鹿児島市など21都市の計約206キロで営業しているが、東北・関東地方では東京都にしかない。
新設された信号機を見に行った。柱から伸びたアームの先に、3色と3方向の矢印を表示する信号が設置されている。乗用車用の信号だ。
これだけなら見慣れた光景だが、隣に「電車用」と表示されている信号がひとつある。これが、LRT専用の信号だ。黄色の矢印が点灯するという。点灯時、LRTは進み、消灯時は停止しなければならない。
LRTの車両はどのくらいの大きさなのか。市内の基地で整備中の車両を見せてもらった。
1編成の長さは約30メートル、高さは約3・6メートル。路線バスよりも長さが3倍、高さは0・6メートルほど高いといい、自動車で横に並んだら相当な大きさに感じるかもしれないと思った。
でも、LRTは軌道を外れて走ることはない。「自動車は、軌道の中を走らず、右折で軌道を横切る時に軌道の上で停車しない、といったルールを守って」と宇都宮市LRT企画課。信号機についても、ドライバーはこれまで通り車両用の信号機に従えばいいため「一般的な信号と同じだと考えて」と話す。
長崎市などでは、路面電車に不慣れなドライバーが誤って黄色の矢印で進行してしまうケースがあるというが、ルールを知っていれば、過度に心配する必要はなさそうだ。
また、LRTの車両の大きな窓からは中の運転士の姿が見える。LRTを運行する宇都宮ライトレールの担当者は、軌道を横切る際などに不安を感じたら「運転士とアイコンタクトを取って」と助言してくれた。
マニアが語る矢印4本の魅力
一方、この信号機を「見応えがある」と喜ぶ声がある。「信号機マニア」の人たちだ。
ホームページで様々な信号機…
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