くぐれない遮断棒、視覚障害者には「壁」 全盲女性の死亡事故に思う

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市原研吾 阿部峻介
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 白杖(はくじょう)を手に、踏切を渡ろうとしていた全盲の女性(50)が、特急電車にはねられ亡くなった。

 奈良県大和郡山市の近鉄橿原線で25日夕に起きた人身事故。県警によると、付近の防犯カメラに、遮断棒の下りた踏切内に一人取り残され、戻ろうとする女性の姿が映っていたという。

 何があったのか。視覚障害者にとって踏切とは――。視覚障害者の歩行の安全を考えてきた市民団体「ブルックの会」(大阪市)に取材した。

 副代表の青木慎太朗さん(41)は、左目がまったく見えず、右目の視力は0・04。ふだんから歩行に白杖を使っている。

 近所の踏切は4本の線路が通る。踏切を渡れば、近道になる行き先があっても、なるべく渡らない。

 「通るのは年1回あるかないか。歩道橋を渡ったり、回り道をしたりして避けている。そのくらい怖い」

 奈良県警によると、大和郡山

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