専門家が唱える不採算路線のトリアージ 「鉄道の敵」を作ったのは?

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聞き手・箱谷真司
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 JR西日本が4月、利用が減って採算が取れない17路線30区間の収支を明らかにした。2017~19年度平均では、年間の赤字総額は約250億円に上った。100円を稼ぐために2万5千円の経費がかかる区間もある。廃線の議論につながる可能性もあるなか、自治体や住民らはどう向き合えば良いのか。東海3県などで地域交通を考える協議会の委員を務めてきた名古屋大学の加藤博和教授(公共交通政策)に聞いた。

 ――JR西日本が公表した収支にどんな感想を持ちましたか。

 「驚きはなかったです。収支が公表されたのは輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)が2千人未満の区間なので、赤字なのは当然です。いずれも大赤字の路線であり、通知表で表現するなら、5段階で最低の『1』にあたります。今後のあり方を地域で考えていかないと、立ち直れない路線だと考えて間違いありません」

 「収支が公表された区間では…

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