「かぼちゃ電車」に灯がともる 文化遺産に首都圏からもファン集う

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茂木克信
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 戦前から1990年代まで地域の足として愛された「かぼちゃ電車」が往時をしのばせる姿で保存され、駅舎やホームとともに公開されている。鉄道ファンと地域住民が力を合わせ手弁当で守り続ける新潟市の文化遺産は、首都圏からも人を呼んでいる。

 初夏の陽気となった4月上旬。日暮れに合わせて一帯がライトアップされると、緑とオレンジ2色の車両が周囲の桜と闇夜に浮かんだ。新潟市と新潟県燕市を結んだ新潟交通電車線の旧月潟駅(新潟市南区)。車体の色合いから沿線の子どもたちに「かぼちゃ電車」と呼ばれた車両は、復元されたヘッドライトや室内灯がともり、永い眠りから覚めたよう。今にもホームから滑り出しそうだ。

 家族3人で訪れた近くの会社員市嶋佳幸さん(43)は「コロナ禍でイベントが減る中、いい家族写真が撮れました」と満足そう。高校生のとき、冬は市外の高校への通学に利用した思い出があるといい、「きれいに保存してくれてうれしいです」と喜んだ。

ボランティアが支える

 イベントは、ボランティア団…

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