赤字ローカル線、支えていくのはもう限界 「3島会社」だけじゃない

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松本真弥
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 都市部のもうけで、地方の赤字を埋め合わせる。こうしたJR各社の手法が崩れ始めている。

 JR西日本によるローカル線の収支公表は、北海道、四国、九州のJR各社に続いて4社目となる。

 JR北海道は2016年に路線ごとの収支を公表。当時、全路線の約半分に当たる10路線13区間(約1237キロ)について単独での維持が難しいと訴え、維持費の安いバスへの転換や、財政支援などを沿線自治体に提案した。これまでに3区間が廃止となり、1区間もバス転換へ向けた議論が進む。

 JR四国も19年に、運行する9路線18区間のうちほとんどが赤字とする収支状況を示した。JR九州は20年から公表を始め、1日1キロあたりの平均利用者数(輸送密度)が2千人に満たない路線は20年度で、全22路線61区間のうち、災害で被災した路線を除き、14路線19区間に上った。

 ただ、「3島会社」と呼ばれ、民営化の際に国から「経営安定基金」を配られるなど鉄道事業で赤字が想定されているこれら3社と異なり、西日本は東日本、東海とともに、新幹線や大都市圏の路線を抱え、駅ビルなどの収益もある。こうしたもうけで赤字路線を支えてきたが、コロナ禍で新幹線や都市部路線の利用客が減り、その構図が崩れた。

 東日本も苦境にある。今年3…

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