JR四国が募集していた、観光列車「四国まんなか千年ものがたり」を利用して願いを実現する企画「あなたの『しあわせものがたり』かなえます。」で、写真の先生の米寿を祝い、車内で撮影会を開くという香川県丸亀市の古河美弥子さん（69）の応募が選ばれた。

　この企画は2018年、19年にも実施されたが、20、21年はコロナ禍で中止。今年は運行5周年を記念して3年ぶりに募集し、18件の応募があった。

　古河さんは、香川県の写真家・藤田健さんに師事。土讃線の無人駅での撮影会の際、通過した千年ものがたりを見た藤田さんの「あの列車の中で撮影会ができたら最高だね」との言葉が印象に残っていたという。

　「昨年コロナ禍で実施できなかった先生の米寿のお祝いと撮影会が実現できれば、最高のプレゼントになる」と応募。JR四国は、5月29日に「願い」をかなえる列車の運転を予定している。

　このほか、母子家庭で育ったという徳島市の中野志保さん（26）が、再婚することになった母親の結婚式を車内でプレゼントしたいという応募が特別賞に選ばれた。

　審査委員のJR四国の半井真司会長は「写真のグループで先生の米寿をお祝いし、車内で撮影会をしていただければ、非常にいい作品が作っていただけるのではないか。話題性もあり、実現性も高い」と評価。特別賞については「お母さんの結婚のお祝いを娘さんが贈りたいというのは物語性が高い。何らかの形で列車にご招待させていただきたい」と話す。（福家司）