さらば跨線橋 長万部で渡り納め

阿部浩明
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 北海道長万部(おしゃまんべ)町のJR長万部駅近くの線路をまたぐ歩行者用の「中央跨線橋(こせんきょう)」(長さ約140メートル)が、北海道新幹線の札幌延伸に伴い撤去される。半世紀にわたり町民に親しまれた「線上の近道」。通行最終日の31日、町民や鉄道ファンらが渡り納めをして名残を惜しんだ。

 駅の北側に跨線橋が架かったのは1973(昭和48)年。中心街と長万部温泉街を結ぶ最短ルートで、大切な生活路となってきた。室蘭線廃線が決まった函館線が分岐しているのを、架線などに邪魔されずに見渡せるとあって、鉄道の写真撮影を趣味にする「撮り鉄」の人気スポットでもあった。

 橋を通行できなくなることによって、駅の東西間の移動には、今までの徒歩8分から約20分と倍以上かかることになる。

 渡り納めを企画した長万部温泉利用協同組合理事長の高井優一さんは「暮らしを支えた町のシンボル。子どもたちも記憶に残してほしい」と話した。北広島市の会社員小川優吾さん(27)は「(小樽回りの)山線と(千歳回りの)海線が分かれる風景が気に入っている。素晴らしい夜景も含め、たくさん写真に収めたい」と盛んにシャッターを切っていた。(阿部浩明)

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