プーチン体制とウクライナ侵攻 大分大名誉教授が講演
中沢絢乃
大分市のホルトホール大分で26日、ロシアの外交や政治体制を専門とする高山(こうやま)英男・大分大名誉教授が「プーチン体制とウクライナ侵攻」と題した講演を行った。会場とZoomでのオンライン視聴をあわせ、計約50人が耳を傾けた。
高山氏はウクライナの歴史などを説明。ロシアとの軍事力の比較も示したうえで、「プーチン大統領はすぐに勝てると思ったが、戦略的にお粗末で非常に苦戦している」と分析した。
今後のウクライナ情勢について「どこかで停戦協定が結ばれる形になるだろう。ロシアでは経済が悪化し、市民の反戦運動も強まっていく。兵士が遺体で帰ってくれば、その母親たちが反乱を起こす可能性もある」と予測。日本にできることとして、欧米諸国と足並みをそろえてロシアへの経済制裁を続け、国際的な機関が機能する仕組みを考えることなどを挙げ、「この紛争を終わらせ、国際法の中でロシアがどんな裁きを受けるかを見守る必要がある」とも述べた。
講演を聴いた市内の会社員飛田治久さん(72)は「日本が置かれている現状や、ビジネスに及ぼす影響を考えることができ、勉強になった」と話した。