三鉄の中村一郎社長が退任へ 震災対応に尽力 後任には県部長

西晃奈
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 岩手県などが出資する第三セクター三陸鉄道宮古市)は24日、盛岡市で臨時株主総会を開き、中村一郎社長(66)が退任し、県政策企画部長の石川義晃氏(60)が4月1日付で就任することを決めた。

 中村社長は盛岡市出身で、1979年に県庁に入庁し、政策地域部長、復興局長を務めた。東日本大震災の際は沿岸広域振興局長として、最前線で震災対応にあたった。県庁を退職した2016年から三陸鉄道の社長を務めている。

 退任後は盛岡市副市長に就く方向で調整が進んでいるという。

 中村社長は19年の台風19号被害やコロナ禍を振り返り、「厳しい環境でも、多くの方のつながりで支えていただけた」と話した。

 取締役会では、21年度の決算が約3388万円の赤字になる見通しだと発表した。赤字決算は3期ぶり。

 沿線自治体の少子化による通学定期収入の減少や、原油高に伴う輸送コストの上昇が主な要因としている。昨年12月末の段階では5800万円の赤字を見込んでいたが、12~1月に個人の観光客が増えたことで業績が回復した。中村社長は「経営が厳しい状態でバトンを渡すことは若干心苦しいが、(次の石川氏が)地域の足と三陸振興の役割を果たしてほしい」と期待を寄せた。(西晃奈)

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