沢の流量減少対策、JR東海が具体策示す 静岡県副知事、一定の評価

玉木祥子
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 リニア中央新幹線静岡工区をめぐり、南アルプスの生態系に関する専門部会が24日、静岡県庁で開かれた。JR東海から、トンネル掘削による動植物への影響の回避・低減策が具体的に説明され、難波喬司副知事は一定の評価をした。

 トンネル掘削によって、大井川上流域の沢の流量が減少し、生息する動植物に大きな影響を及ぼすことが危惧されている。JR東海は、流量減少が予測される全ての沢の「沢カルテ」を策定することを説明。沢とトンネルの位置関係や地質の状況、工事後の流量変化などの情報を沢ごとに整理するという。また、沢の流量減少を抑える対策として、地盤へ薬液を注入すると説明した。

 専門部会終了後、沢田尚夫・中央新幹線推進本部副本部長は「地質の状況などで薬液注入での止水には限界があるが、環境への影響を緩和させたい」とした。

 昨年12月に国土交通省の有識者会議でまとまった中間報告では、JR東海に対して、地元への丁寧な説明が求められていた。難波副知事は「分かりやすい資料となり、問題に正面から向き合う姿勢を評価したい」と述べつつ、「示された対策が有効かどうかしっかり検討していく必要があり、まだまだ課題は多い」と話した。また、トンネル湧水(ゆうすい)の「全量戻し」などが問題となっている水資源に関する専門部会について、4月の開催を目指しているという。(玉木祥子)

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