視力・聴力が衰え列車に気づかず? 事故現場の踏切には遮断機なし

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坂田達郎
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 山形県小国町増岡のJR米坂線踏切で昨年5月、列車と軽乗用車が衝突し、車を運転していた当時85歳の男性が死亡した事故について、国の運輸安全委員会が24日、事故調査報告書を公表した。現場の踏切には遮断機や警報機がなく、視力と聴力が衰えていた男性が列車の接近に気づかなかった可能性があるとした。

 報告書によると、昨年5月16日午後2時すぎ、米沢行き上り普通列車と軽乗用車が衝突した。運転士は踏切の手前約80メートルで進行方向右側の道路から近づく車を確認。右折した車は停止せずに踏切に進入したため、非常ブレーキをかけたが間に合わなかった。

 踏切手前の「とまれ」と表示された付近から視界を遮る構造物はなく、沿線の雑草も列車に気づかなくなる高さではなかった。男性は事故の4年前に両目とも白内障の手術を受け、長時間運転すると目がかすむことがあり、片方の耳は聞こえず補聴器は使っていなかった。そのため、列車に気づかなかった可能性があるとした。

 踏切は幅2メートルで二輪車や軽乗用車以外は通行禁止。報告書は遮断機や警報機がない「第4種踏切」は廃止か保安設備を整備すべきだと指摘した。

 JR東日本は町内の第4種踏…

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