個人別の案内表示も うめきた駅は新技術ふんだんに
JR西日本は16日、来年3月に開業予定のうめきた(大阪)駅について、「JR WEST LABO」と名付けたイノベーション(技術革新)の実験場にすると発表した。個人の目的地に応じて目印を表示できるデジタル案内を設けるなど、随所に新技術を活用するという。大阪・関西万博のある2025年春には駅ビルもオープンさせる予定だ。
新駅は再開発地区「うめきた2期」(大阪市北区)の地下に建設中だ。現在の大阪駅とは改札内通路などでつながり、正式な駅名は大阪駅となる。開業後は、関西空港や和歌山方面へ向かう特急のほか、おおさか東線の列車が発着する。
地下1階は改札口などがあるコンコースになる。事前にアプリで目的地を登録すれば目印があらわれる「デジタル案内」や、幅14メートルの大型スクリーンなどを設置する。
地下2階の一部のホームには、31年予定のなにわ筋線開業も見据え、新型のホームドアをつける。ふすまのように開口部をずらせるため、他社を含む様々な車両に対応できるという。
このほか、開業後には、顔認証を使った改札機やAIを搭載した案内ロボットなどの実証実験も進めていく。多様な企業と共同し、新たな技術やアイデア、サービスを検証する場として活用を進める方針という。
25年春に全面開業する地上3階建ての駅ビルには、商業施設が入る予定。開業に先がけて24年夏ごろには、既存の大阪駅と行き来できるデッキや駅前広場の利用が始まるという。
JR西の久保田修司・鉄道本部イノベーション本部長は16日の会見で「常に新しい発見やチャレンジのある、わくわくを感じてもらえる駅にしたい」と話した。