脱線の新幹線乗客「天井に頭ぶつけた」 午前4時、暗がりの中バスへ
福岡龍一郎 武井風花
東京発仙台行きの東北新幹線「やまびこ223号」(17両編成)が高架上で脱線、停止していた宮城県白石市の現場では17日午前4時ごろ、職員が誘導する中、乗客らが降車して次々とバスに乗り込んだ。中には簡易毛布で身を包み、スーツケースを手に疲れた表情を見せる乗客もいた。
現場は白石蔵王駅から南西約2キロの田畑が広がる地域。暗がりの中、職員がヘッドライトで誘導し、乗客は線路のある高架から階段を下りて、近くの田んぼ脇の道路に停車していたバス2台に分かれて乗車。仙台駅などに向かった。
出張で白石蔵王駅まで行く予定だったという福島県郡山市の男性(47)は「縦に激しく揺れ、天井に頭をぶつけた。怖かったです。仕事の予定も変更しないといけないかもしれません」と話した。別の男性も天井に頭を打ったと話し、「脱輪の瞬間は新幹線が倒れるかと思った」。別の女性は「ウトウトしていて揺れの瞬間は気づかなかった。長い時間待ったけど、乗務員が安心できるように話してくれ、車内で大きなトラブルもなかった」と語った。