とさでん交通、22年度に7.7億円赤字見込み 中期経営計画

冨田悦央
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 路面電車や路線バスを運行する「とさでん交通」(高知市)の2022年度から5年間の収支見通しが明らかになった。新型コロナウイルスの影響で利用客の落ち込みが続くため、収支改善策を実行しても22年度の当期純損益は7億7200万円の赤字となる見込みで、5億8900万円の債務超過に陥る恐れがあるとしている。筆頭株主である高知県は、高知市など沿線自治体と協調しながら支援する方針だ。

 同社が県に報告した中期経営計画によると、運賃値上げや駅員の削減、設備投資の減額などで5年間に5億9千万円の収支改善策を予定する。それでも22年度は大幅な赤字となり、年度内に現預金残高が底をつく可能性があるという。

 23年度も当期純損益は1億3900万円の赤字で、黒字に転じるのは24年度以降と想定している。路線バスは運行補助を受けても赤字が5年間続く。路面電車は計画の最終年の26年度にようやく黒字になる見通しだ。

 県はまず、同社が黒字転換を見込む24年度までの3年間は、路線バスの運行補助や設備への支援などを追加・継続する方針だ。国や、同社に出資する高知市など沿線自治体とも協議を進め、新たな支援の枠組みも見いだしたい意向だ。

 同社は20年度の当期純損益が過去最悪の8億2400万円の赤字となったため、中期経営計画の策定を進めていた。(冨田悦央)

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